リフォームの夢破れる・・・10年位前の話

地方都市に住む、一般的に低所得だと思われる家庭で育ち、

家庭事情は違えどそれほど所得差はない世帯(いや、夫君)へ

嫁ぐことになり、同居を始めて、社会事情等で夫は転職し、

ぜいたくなことはせず、地道に質素にそれなりに趣味を楽しみ、

妊活に月日とお金を費やし、結婚12年目で子どもを授かりました。

当時築30年6DKの一戸建て住宅に、1部屋は飼い猫に使っており、

子どもができるにあたって、縁側を増築してそこを猫部屋にする

ようにし、その際にいろいろと不都合のあったところをリフォーム

してはどうかと案がありました。

まず、リフォームするので、リフォームに関する本を読んで研究しては、

今、というかその当時でも流行の対面式キッチン。そのためには

壁を撤去したり排水管を替えるなど大幅な変更などから大掛かりな

工事になるからと断念。ま、縁側を増築する目的がキッチンリフォームは

ちょっと想定外過ぎる出費にもなるしで素直にあきらめました。

そして今度は屋根のリフォーム。

女手ひとつで一戸建て住居を一から建てて、いろいろな思いはあったので

しょうけど、メンテナンスをしていなかったからと、ずっと気になっていた

屋根の塗装を一度はしたけども、2,3年でカビだかコケだか目立つようになり

思い切って瓦屋根にリフォームしました。その時、壁の劣化を指摘されて

雨漏りを恐れていた姑は外壁工事も希望。私は、私は、外壁よりも、水周り、

毎日使う、キッチンを、と言ってみましたが、雨漏りしては家全体が湿気て

一気に痛む、うんぬんと、そりゃあ、よくないことはよくわかりますが、

その時2人目を妊娠しており、家族5人でこの間取りではどうにもならない。

テーブルに5人座れないよ、という状態なのはあきらかで、モノも置けない。

それに、いつまで、あと何十年この家に住むのか?という言ってはいけないような

疑問もあるけど口にしては言えず、仕方なくあきらめました。

そして、それから6年経ち、下の子も6歳となり、台所はキツキツ、モノは

あふれる、敷居や段差はあちこちあるにもかかわらず、じゅうたん、カーペット、

座布団、ジョイントマットと、床材のクッションフロアや畳やフローリングは

何層下かしら?という状態。カビもダニもゴミもホコリも、気にしないように

してます。

いろいろな収納アイデア、グッズ、研究してはためいき「ハァ」の状態。

素敵なキッチンの雑誌などを見ては「ハァ」

長く生きたもの勝ちなのさ、と望みを託したいけど、この長寿社会、今の健康状態、

あと何年続くことを考えればぞっとする。

私は、ないものねだりなのだろうか?

自分の理想のキッチン、いや、今のままでもいい、いらないものを捨てて、

すっきりしたい。好きな家具と一緒に、家族と暮らしたい。

男は車が自分のお城。(うちの夫は車ではないけれど)

女は台所が自分のお城。

いつか自分の城を持ちたいと願う、小さな夢でした。