理想の人

20代後半の頃、自己啓発本に凝っていたころがあり、

斬新、カルチャーショックだったのが「右脳開発」系。

七田眞さんの本を読み漁り、上手にまとめられたB4版の冊子を

読んだりCDを聞いて実践しました。

リラックス、丹田呼吸、イメージトレーニング、速読、超記憶

等々

これは、本当に、自分が変わるものだなあとびっくりしました。

何が、というと、円周率小数点以下100桁覚えたとか。

自分で自分を「超すごい人間だよ」って変に自信を持ちました。

円周率覚えたところで、なあんの得もいいこともないんだけど。

それで調子にのって、イメージトレーニング。

これは、簡単にいえばイメージをした通りになれるというもの。

簡単な色、図形から始めるのだけど、これはなかなかできない。

集中力と毎日の継続でできてくるらしいのだけど、何かが足りなかったの

だろう。簡単な図形でさえ、なかなかでした。できないとなると続かない

もので。それで、イメージトレーニングをして「なりたい自分になる」

のだけど、「なりたい自分」がわからなかった。

容姿でいえば「チャン・ツィー」だけど、イメージしてなれるもの

ではなし。テキパキバリバリに働くキャリアウーマンかといえば、

憧れるけど全然自分のキャラでないし。それで、なりたいといえば、

「金持ち」なんだけど、自分が金持ちのイメージがそもそもイメージ

できない。「外車に乗ってる私?」「高価な宝石を身に付けている私?」

「海外旅行をしている私?誰と?」「ブランド服、バックを身に付けている私?」

と金持ちの人が身の回りにいなくて、目立つ金持ってそうな人を自分に

あてはめてもしっくりこないし、何か違う。

結局は、「子どもを授かってみんなに祝福される私」を繰り返し繰り返し

イメージトレーニングに取り組み、長い年月かかったけど、授かりました。

イメージトレーニングの効果かどうかははっきりしないけど、イメージ

することで「こうなるには、こうするぞ」などコツコツ努力した気はする。

で、今はイメージトレーニングも右脳開発トレーニングもしていない

けれど、「こうなりたい人」をイメージしながら年を重ねたい。

イメージしてもしなくても、死ななければ年はとるのだから。

介護の仕事をしてきてたくさん高齢者を見てきて、かかわる人は

介護が必要な人なので「こうなりたい」という人はいないのだけど、

きっと「こうなりたい」と思う人がいても、自分とイメージを結び

つかせるのが難しい。

そんな時に、新聞、雑誌、書籍で出会ったのが「佐藤初女」さん。

ターシャも大好きで理想としたいけど、外国人だしちょっと文化が

違いすぎ。ヘビを手に持って「かわいい」なんてできないし。

おむすび食べて、涙が出るなんて、「千と千尋の神隠し」の千尋

ではありませんか。

自分が作ったおにぎりを食べて、人を感動させる、そんなおばあさんに

なりたいな。