幸せを感じる時

20代後半で、晴れてなりたかった介護の仕事について、がんばって働いて

3年経って、後悔はしないけどもういいや、と思った時、辞めなかったのは

安定した職場と、妊活に力を入れていたから。お金はかかるし、時間は不規則

だけど不妊治療の病院も職場から近く通院にちょうどよく、「この仕事で

よかった」と思えた。

子どもができて希望に合わせて職場の異動や勤務形態も希望に沿わせてくれたけど、

いよいよいつか介護の仕事から卒業するためと、子どもの生活時間に合わせて

退職、転職を数回して今の職場で3年経ちました。本当に、今の職場は素晴らしい。

もちろん、働いていて失敗することやストレスたまることもあるけれど、どこで

どんな仕事をしていてもあること。仕事とプライベートはきっかり分けて、

頭の中で仕事のことがあっても、家に帰ると完全オフになり、自分と子どもの時間。

何かをするとか、どこかに行くとか、おいしいものを食べるとか、見る、聴く、とか

いろいろと楽しいことや好きなことはあるけど、一番幸せを感じる時が、

2人の子どもに挟まれて川の字に寝ること。

寝返りできなくて腰が痛くて夜中目が覚めたり、夜中に手や足で顔を叩かれ、踵おとし

されて「いったぁ」と怒っても、何より世界で一番幸せだな、と感じます。

いつまで続くかわからないけれど、子どもには「一人で寝るように」とは言うけれど

もうしばらくは、幸せを感じさせてねと、言葉とは裏腹に思っています。

子どもと生活時間を合わせることで、仕事帰り、土日休みと、一緒に行動できるのが

またこれなにより幸せ時間。行動と言っても、子どもらはインドア派で、女の子2人

でままごと遊びをしていて、出かけようと誘っても断る。私も、どちらかといえば

インドア派なのでずっと家にいてもいいけど、ずっと姑さんが家にいるし、子どもらも

ばあちゃんべったりで、少しは世の中、外の世界を見なさいとばかりに連れ出してます。

10年以上前にテレビで中国のドキュメンタリー番組をしていて、中国の一人っ子政策

で生まれて経済的に裕福な家庭で何かの問題を抱えた子どもたちが、生活を正すために

寄宿舎の生活を数ヶ月過ごし、最後に3日だったか5日だったか歩き続けて、ゴール

して終了っていう内容だったと思うのだけど、それに参加してた13歳位の男の子が言っていたのが「お父さんやお母さんと散歩がしたい」と無表情にボソッと話して

いたのが印象的でした。その男の子は、両親共働きで、子どものために仕事で家にいないことが多く、子どもはゲームセンターに入り浸って帰ってこない、何度も家出(?)捜索を繰り返し、親が困ってその寄宿舎に送り込んだというのがきっかけでした。インタビュアーが「したいことは何?」と聞かれて答えたのがそうだった気がする。

また別の番組で、イタリアだったと思うヨーロッパのごく普通の家庭の様子のドキュメンタリーで、食事とか家族紹介みたいなものだけど、12歳と7,8歳位のきょうだいが

いて、日課でお父さんと海岸を散歩していて、特に会話をしながらでもないけど、時々

言葉を交わしながら距離をあけて散歩をする姿が楽しそうで、「へぇ」と感心と、

そんなことが楽しいのかと感慨深かったのを覚えています。

私はといえば、親と散歩なんてしたことない。車で出かけて店の中を歩くことはあった

けど「歩くだけ」に出かけるなんてなかったし、楽しいか?と思うけど、世の中、

散歩が楽しいと思う人もいれば、私も、子どもがいなかった時、夫と散歩をして、

何気に楽しかった思い出もある。

なので、休みの日は、もっぱら散歩を誘って出かけているけど、小さい頃は喜んで

付いてきてたのが、最近「いやだ」が口癖になっているようで、私も何か小細工しなが

ら誘い、連れ立って散歩をしながら小さな幸せを感じています。